安静時心拍数と寿命の密な関係性!心拍数が低いランナーは長寿となる? [論文紹介]
安静時心拍数(何もしていないときの心拍数)と寿命には大きな関係性があるようです。
このあたりの研究について、下記の学術資料にまとめられたので
抜粋してご紹介します。
Ⅱ.安静時心拍数と予後の関係
http://www.jse.or.jp/akiyamalecture/akiyamalecture07.pdf
哺乳類では一生に打てる心拍数が決まっている!?
哺乳類でもその種族によって安静時心拍数はバラバラです。しかし、
大きな動物ほど心拍数が少なくなり、小さな動物ほど心拍数が多いそうです。
そして、その安静時心拍数と各動物の寿命をグラフ化したのか下記の
グラフです。
Levine HJ : Rest heart rate and life expectancy. J Am Coll Cardiol, 1997;30 : 1104~ 1106
このグラフの通り、綺麗に安静時心拍数と寿命は反比例し、それを
かけ合わせた一生に鼓動できる回数はほぼ一定(7億回程度)になるそうです。
この関係性を考えると、哺乳類は約 7億回前後拍動すると寿命に近づく
と言えそうです。
ただし、グラフを見て頂ければわかる通り、人間は例外です。
これは人間が野生の生活よりも楽に暮らせている証拠ではないでしょうか。
ただ、安静時心拍数が低いと、寿命が長くなると言えるのは確か
だと思います。
人間の安静時心拍数は正規分布となる
ところで、人間でも安静時心拍数というのは人によって異なってきます。
人によっては100bpmを超えている人もいたり、プロランナーでは30台の方
もいます。これについては、4万人規模の大規模な調査がおこなわれて
おり、下記のようなグラフになることがわかったそうです。
引用:Kannel WB, Kannel C, Paffenbarger RS Jr, Cupples LA : Heart rate and cardiovascular mortality : the Framingham Study.
Am Heart J, 1987 ; 113 : 1489~ 1494
上記のグラフのように正規分布に近いグラフになります。
数字で表すと下記の通りになります。
(年齢別のグラフ化されてますが、あまりその差異はなさそうですね)
○男性の安静時心拍数
平均:68、中央値:66、標準偏差:12、上位2%:47、上位1%:45
○女性の安静時心拍数
平均:70、中央値:68、標準偏差:12、上位2%:49、上位1%:47
ランナーは、市民レベルでも安静時心拍数40台の方も多いです。
(自分も45です)。こうみると、ランナーがいかに異質な心臓を
持っているかわかりますね!100人に一人レベルの位置にいます。
安静時心拍数が低いほど、死亡率が低い
動物の種族を超えた中では、安静時心拍数が低いほど寿命が
長いと言えました。それでは人間という同一種族の中でも、
安静時心拍数が低いほど長生きすると言えるのでしょうか。
その関係性を図辞したのが下記のグラフです。
縦軸は死亡率で、色んな観点での死亡率をならべてます。
こうみると、心拍数が50以下の人が非常に死亡率が低い
ことがわかりますよね!
ただし、一部の観点からは50以下よりも50~60ぐらいの
やや低いぐらいのほうが心筋梗塞などの疾患にかかる確率が低いという
結果もでてます。トレーニングのしすぎも注意ということ
なのでしょうか。
まとめ:安静時心拍数を抑えて、寿命の節約をしよう!
まとめると、全動物内でも人間内でも心拍数が低いほど死亡率が低く、寿命が
長くなるという結論になりました。一生に打てる鼓動数は決まっていると
いう見方もできます。
そのため、その回数を節約すれば長生きできる可能性が高いとも言えます。
スポーツ心臓になって、長生きできるようがんばりましょう!
(トレーニングによって、余計に心拍数を使いまくっているような気もしますが、、、(笑))
⇒こちらのツールで安静時心拍数がどれぐらい低いか判定できます!
一度判定してみて、自分がどれぐらい強心臓なのか確認してみてください!
⇒「マラソン関連書籍/研究論文レビュー・解説」カテゴリ記事一覧
その他関連カテゴリ
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
筆者様も気付いてる通り、トレーニングなどで心拍数あげているため寿命が必ずしも長くなるとは限らないそうです。
また50-60の人はスポーツ心臓ではなく、徐脈性不整脈の方もいるため心筋梗塞率が高くなってるんだと思います。