脂質は味方?それとも敵?[ランナー栄養学]
2017-03-18 栄養学/ダイエット理論
脂質は、人間のとって、補助エネルギーと言って良いかと思います。この補助エネルギーについては、どの程度蓄えておくべきか計算して管理することが重要です!
目次
脂質(脂肪)の役割
- 人間の活動エネルギー(カロリー)の補助バッテリー。血液中の糖分が低下してきた時に、糖に変換され、エネルギーとして利用されます。
- 炭水化物とたんぱく質が1g4kcalなのに対し、脂質は1g9kcalです。そのエネルギー圧縮効率は断トツです。(グラムあたりのエネルギーが一番高いのは脂質100%となる油類です。肉がカロリーが一番高そうなイメージですが、純粋なカロリーの塊は油なんですね。)
- 体重50kg/体脂肪率10%の人でも5kg分=45000kcal分のエネルギーを蓄えていることになります。炭水化物は2000kcal程度しか貯蓄できないため、その差は圧倒的です。
- 糖をエネルギーに変換するための、潤滑油としても活用されます。
脂質の種類
悪いイメージのある脂肪にもいくつかの種類があり、ものによって善し悪しが違います。種類によって、コレステロールを増やしたり減らしたり、全く違う役割をするのです。
飽和脂肪酸
動物性の肉に多い。コレステロールを増加させ、太りやすくなり、悪影響か多い。減らすべき脂肪。
不飽和脂肪酸
n-3系脂肪酸(ω-3脂肪酸、α-リノレン酸)
魚に含まれる脂肪。中性脂肪を減少させ、善玉コレステロールを増やす。DHA,EPAなども含まれており、通常不足しやすいため、積極的に摂取すべきといわれる脂肪。
n-6系脂肪酸(ω-6脂肪酸、リノール酸)
コーン油/ゴマ油やマヨネーズなどに含まれます。摂取しすぎると、悪玉コレステロールが増えます。通常、過剰摂取になるため、減らすべき。
n-9系脂肪酸(ω-9脂肪酸、オレイン酸)
ナッツやオリーブに含まれます。悪玉コレステロールを取り除いてくれると言われていますが、撮り過ぎもよくないため、適度な摂取がいいと言われています。
トランス脂肪酸
マーガリンなどに含まれ、飽和脂肪酸と似た性質を持つそうです。非常に危険と言われております。
スポーツ(マラソン)と脂質(脂肪)
- 上記のように、エネルギー格納率としては最強の脂質ですが、問題はその貯蓄量と重さです。現代人を悩ませている通り、飽食の時代ではメタボや肥満の原因となっております。
- 50kgのランナーがマラソンに必要なエネルギーは42*50=2100kcal程度です。体脂肪率10%だとしても、5kg分=45000kcalの補助バッテリーは過剰すぎなのです。
- この脂質(脂肪)を1kg減らすことにより、マラソンでは約3分速くなると言われております。上級ランナーほど、体脂肪率平均は下がっていくため、まあマラソンに関しては最低限あればいいのではないのでしょうか。
- ただし、一日の脂質摂取量が40g以下の人達は死亡率が高くなったという調査結果もあるため、注意が必要です.。
- 脂肪は脂質からだけでなく、過剰に摂取して余った炭水化物やタンパク質からも作られていくため、カロリー全体で管理する必要があります。
自分の脂質の取り方
自分は上記のような考察から、n-3系の魚や納豆などからのみ脂質は摂取するようにし、一日の摂取量は40g以下に抑えるようにしています。もちろん、3大栄養素である脂質を制限することは、何か危険をともなう可能性もあるため、自己責任です。
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