炭水化物は走るためのエネルギー原動力![ランナー栄養学]
炭水化物は、ランナーにとっては一番重要なエネルギー源と言えるかと思います。炭水化物の性質を理解し、上手く摂取することが速くなるための大きな鍵と言えます。
目次
炭水化物:大切な第一次エネルギー
・炭水化物(糖質)は人間にとって、一番直接的なエネルギーです。よくブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源といわれますが、全身の運動エネルギーも同様であり、糖であるブドウ糖がエネルギー源になります。(脂質などもエネルギーにはなりますが、それは脂質が糖に分解されてして糖として利用できるからです。脂質が直接エネルギーになるわけではないです。)
炭水化物の貯蓄量は多くても2000kcal
人間は炭水化物を筋肉や肝臓に蓄え、すぐに使えるようにグリコーゲンというブドウ糖が連結した形式で保管しておきます。このグリコーゲンの貯蓄量は、1800~2000kcalくらいが限界です。
マラソンでは簡単に計算しても、体重×42kcalのエネルギーが必要となります。体重50kgでも2100kcalが必要になり、不足することになります。
→ 補助エネルギーである脂質が重要になる
ただし、この貯蓄量はそれまで摂取した、炭水化物の量によって、変わります。炭水化物の摂取が多ければ、それだけ貯蓄可能なグリコーゲンの量が多くなり、使えるエネルギーが多くなるわけですね。これをカーボローディングといいます(後日詳しく説明予定)。
炭水化物にも結合度によって種類がある
炭水化物は、ブドウ糖の結合数によって、種類分けできます。
単糖類 | : | ブドウ糖、果糖等。果糖も、ブドウ糖に変換されてエネルギー利用される。体内ですぐにエネルギーとして利用される。 |
二糖類 | : | 単糖類が2つ結合したもの。マルトース(グルコース+グルコース)、ショ糖(砂糖)(グルコース+フルクトース)などがある。こちらも、体内ですぐに単糖類に分解され、利用される。 |
少糖類 | : | マルトデキストリンなどがある。単糖類と多糖類の中間であり、比較的はやく利用される。 |
多糖類 | : | でんぷん、グリコーゲンなど。穀類、イモ類などのことであり、多くの糖が結合しているため、その利用には数時間が必要となります。 |
このように、結合度合いによって、その吸収の速度が変わります。
⇒コチラのページでさらに詳しく各糖類の性質を説明しています!
単糖類(砂糖など)は即効性があるが危険
単糖類(ブドウ糖)はまさに、人体にとって一番直接的なエネルギー源となるわけですが、単糖類の直接的な過剰な摂取は危険です。というのは、単糖類が大量に体内に吸収されると、血糖値が急激に上昇するからです。血糖値が上昇すると、それを下げようとインシュリンが大量に発生します。そしてこのインシュリンの効果により、逆に血糖値が急激に下がってしまうという現象が起きます。これをインシュリンショックといいます。インシュリンショックは、血液中にエネルギー源の糖が不足している状態となるため、パフォーマンスが低下してしまいます。
ですので、直接的なエネルギーだからといって、単糖類ばかり食べていれば良いわけではないです。
では、どのように炭水化物を摂取すべきか?
色々述べましたが、ではどのように炭水化物を摂取すべきかというと以下のようにするのが良いと思われます。
- 運動数日前から、炭水活物を多く取るようにして、体内にグリコーゲンを多く貯蓄するようにする(カーボローディング)
- 運動数時間前に多糖類(ごはん等)を食べて、運動時にエネルギーが満たされるように計算して食べる。(数時間前に砂糖を食べても、運動中には消化済みとなり、効果は消えています)
- 運動直前/運動中はすぐにエネルギーを利用する必要があるため、単糖類などを補給するようにする。(マラソンの補給食でお米など食べても即効性がないため、意味をなさない)
- 過剰摂取は絶対に禁物。炭水化物抜きダイエットが流行っているのを見れば、わかる通り、過剰な炭水化物摂取は脂肪/体重増加に直結します。(血液中で余った糖分は脂肪に変換されて、蓄えられるためです)
曖昧に書いていますが、運動する時間に合わせて摂取する炭水化物の種類や量を変えていくことが重要です。数字として、摂取すべき炭水化物量を理解し、計算しながら補給していけるようになるのが一番かと思います。(自分は毎日計算して摂取するようにしています)
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