炭水化物/糖質の種類/特性まとめ!
前回の記事で、炭水化物や糖質は人間にとって害悪となるものではなく、人間にとって大切なエネルギーになる物質であることを説明しました。特に、ランナーにとってはこの炭水化物/糖質というのは、直接的な栄養成分となりますので、ものすごく重要なものになります。
ところで、この炭水化物/糖質と簡単に言っていますが、その糖質にもいくつかの形態/種類があります。そして、その種類によって、特性やエネルギーになる流れが違ってきます。そこで、この記事ではまず、炭水化物/糖質にはどんなものがあるか、そしてそれぞれがどのような特性があるかもを簡単に説明します!グルコースやフルクトースなど、重要な糖質については、また個別ページを作って詳しく説明していきたいと思います!が、まずは概要ということで、どんな炭水化物/糖質の種類があるかをチェックしてみてください!
目次
炭水化物/糖質の種類:1.単糖類
単糖類とは糖質の最も基本的な形式です。下図のように、グルコースやフルクトースなど、1分子で構成される糖のことです。つまり、数ある糖質の形式の中での最小単位ですね。一番基本的な形式となります!重要なので、覚えておきましょう!
単糖類:1.グルコース
グルコースは、全ての糖分の基礎中の基礎となる成文です。ブドウ糖とも呼ばれています。このグルコースが形をかえることで、後述するグリコーゲンやデンプン、スクロースなどに形を変えるわけです。グルコースは、エネルギー源の基本であり、小腸から吸収されて血液中に入り込み、体内にエネルギー源として巡回します。そして、こちらの記事に書いてある通り、解糖という反応を起こして分解することにより、筋肉のエネルギー源であるATPを生成します。つまり、このグルコースは、体内の筋肉を動かすATPを発生する源であり、エネルギーの源と言えるんです!
単糖類:2.フルクトース
フルクトースはグルコースの次に有名な単糖です。フルクトースは果糖とも言われ、果物に多く含まれる成分です。果糖は実は、砂糖よりも1.7倍程度甘さをもつ物質だそうです。しかし、温度によってその甘さが変わり、40度以上になると砂糖のほうが甘みが強くなるそうで。果物が冷えている方がおいしいのはこういった理由だそうです。
フルクトースのエネルギー代謝は基本的にはグルコースと同じといえそうですが、、、、実はフルクトースはフルクトースでグルコースとは違った代謝の仕方をします。フルクトースは主に肝臓で分解され、エネルギー源のATPに変換sあれます。このとき、このフルクトースのほうがグルコースより代謝が速かったりします。ただし、脂肪に変換される度合いも高い、といった性質を持ちます。、このフルクトースについては別記事で紹介していこうと思います。
単糖類:3.ガラクトース
ガラクトースはこの後紹介するラクトースを形成するための糖分です。ラクトースは乳糖とよばれ、乳製品にふくまれる成分です。また、ガラクトースは寒天などにも含まれるそうです。ガラクトースは、基本的に肝臓でグリコーゲンに全て変換されるのですが、ガラクトース血症とうい病気があり、この変換が不完全になってしまい、血中のガラクトース濃度が上昇してしまう病気があるそうです。
炭水化物/糖質の種類:2.二糖類
二糖類は、上記で説明した単糖類が二つ結合した化合物の総称です。下図はスクロースという二糖類の例ですが、二つの糖(グルコースとフルクトース)が組み合わさっているのが分かると思います。糖類は、自然の中で二つだけ結合した形で存在したり、二糖類まで体内で分解されたりします。ですので、二糖類というのは、中途半端な位置にあるものでなく、むしろ糖質として最も一般的に存在する形式といえるのです。
二糖類:1.スクロース(ショ糖、砂糖)
スクロースは上記で説明したグルコースとフルクトースが合わさった化合物です。そして、人間にとっては最も関係が深い物質です。なぜなら、このスクロースは砂糖の正体だからです。砂糖の99%はこのスクロースとなります。なので、誰もがこのスクロースを日常的に摂取しているわけですね。
スクロースは、人間の体内に入ると小腸ですぐにグルコースとフルクトースに分解されます。そして、急激に血糖値を上げることになるのです。これが、「砂糖は害/毒である」といわれている理由です。ここについては、別の記事で詳しく述べますが、そもそも砂糖=スクロースは、人間のエネルギー源であるグルコースとフルクトースの塊なんです。それが害悪であるはずないんです。気を付けて摂取すれば、素晴らしいエネルギー源になります(詳細はまた別の記事で)。
二糖類:2.マルトース
マルトースは、グルコースとグルコースが結合した形式です。マルトースは麦芽糖ともいわれ、水あめなどに含まれています。マルトースは上記のスクロースよりも甘さが控えめとなっており、さらにスクロースよりも血糖値をあげにくいという性質があるようです。マルトースは分解せずに、そのままエネルギー源であるATPに変換されたり、下記のグリコーゲンに変換されたりするから、、、だそうです。そのため、病院の点滴でも、このマルトースが使われているようです。
二糖類:3.ラクトース
このラクトースは乳製品などに主に含まれているものです。ラクトースはガラクトースとグルコースがあわさった化合物です。関連した現象として、乳糖不耐症というものがあり、このラクトースを分解するラクターゼを身体に持っていないため、うまく分解してエネルギーにできないことがあるようです。これはもっと簡単にいうと「牛乳飲んで、お腹を下す」というものです。日本人には、この牛乳不耐症つまりラクターゼを持たない人が多くいるようです。自分も牛乳大好きだけどお腹を下す体質なので、、、ラクターゼをもっていないのかもしれませんね。
炭水化物/糖質の種類:3.多糖類
3つめの糖質の種類は多糖類です。これは単糖類や二糖類が、いくつも結合してつなぎ合わさった形です。下図はデンプンの例ですが、多くのグルコースが結合しているのが分かると思います。これが多糖類です。一般的な性質として、単糖類や二糖類のように急激に血統値をあげることはない、という性質を持ちます。
多糖類:1.デンプン
このデンプンは、アミロースとアミロペクチンという二つの成分にわけることができます。アミロースは直鎖状の分子であり、ほとんど分岐をもたない構造をしており、小さな分子です。それに対して、アミロペクチンは逆です。分岐を多く持ち、それによって大きな分子となっています。直線であるアミロースの割合が低いほど、粘性が強くなります。
デンプンといっても、色んな種類のものがあるわけですが、種類によってこのアミロースとアミロペクチンの割合がかわってきます。例えば、小麦や白米はアミロースが25%程度でありますが、もち米はアミロースが0%に近いです。つまり、もち米は、ほとんどがアミロペクチン=分岐を多く持つ構造のため、強い粘性がでるのです。
また、このデンプンは結局はグルコースが二つ合わさったマルトースが重なり合ったものです。そのため、アミラーゼという酵素によって、マルトースやグルコースまで分解されます。そこまで分解されると、あとはグルコースと同じ性質を持ちます。しかし、徐々に徐々に分解されていくため、グルコースや砂糖(スクロース)のように、急激に血糖値をあげないという性質があります。
多糖類:2.グリコーゲン
グリコーゲンは、人間の体内で、グルコースを貯蔵しておくための保存形式みたいなものです。グルコースをつなぎ合わせて、体内に貯蔵しておけるようにしたものです。体内版のデンプン、といっていいものですね。このグリコーゲンは、運動時にすぐにグルコースに分解できるので、貴重な即効性のあるエネルギー源となっています。このグリコーゲンは肝臓と骨格筋で保存されていますが、体内でせいぜい1800kcali程度しか保管できません。ですから、貴重なんです!ちなみに、会社「グリコ」の語源はこのグリコーゲンです。グリコーゲンは最高の元気の源、という意味から名付けたようです。それぐらい、人間にとっては大事な物質なんです!
多糖類:3.デキストリン(マルトデキストリン)
デキストリンとは、デンプンと二糖類のマルトースとの中間ぐらいの位置にある多糖類です。デンプンのように、とてつもなく長いわけでもなく、3~20ぐらいのグルコースが連結した中くらいの盗塁です。この中の一つにマルトデキストリンがあり、様々なジェル系の補給食などに使われています。
なぜ、このマルトデキストリンがよく補給食に使われるのかというと、グルコースのように速攻で体内にエネルギーを補給する性質を持つのと同時に、グルコースよりも血糖値を急激に上げることはないという、素敵な性質をもっているからです。なので、デンプンのように吸収に何時間もかかるわけでなく、グルコースや砂糖のように急激に血糖値をあげてインシュリンショックをおこすこともないわけです。今、注目されているものですので、この「マルトデキストリン」をチェックしてみてください!
このように、簡単に炭水化物/糖質といっても、いろんな種類があるんです!そして、それぞれにより、エネルギーにどうやって変換されるかが違うんです!各糖分の特性をとらえて、最適な糖分をとれるようにしましょう!
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