スプリットタイムからみた市民マラソンレースの一考察 (一定速度で走れるようになろう!) [論文解説]
自分は何でも論理的に分析して考えていくのが好きなので、マラソン関連の研究論文なども結構読んでます。読むと面白いんですが、長くて面倒ですよね。ですので、ここで簡単に結論と重要なポイントだけ解説していこうと思います。
今回は、レースペースについての論文です。
//スプリットタイムからみた市民マラソンレースの一考察 [論文解説]
https://www.t-kougei.ac.jp/research/pdf/vol1-27-09.pdf
研究結果概要
・マラソンにて、速い人ほどイーブンペースで走っている。男子の結果にて、マラソンタイムごとに速度低下率(40kmスプリット)の平均をとってみると以下の通りとなった(抜粋)
2時間28分 : 97%
2時間55分 : 92%
3時間24分 : 88%
3時間54分 : 85%
4時間52分 : 72%
・マラソンタイムが速いほど、ペース低下率はぐんと下がっていく。
・その速度低下率は後半になるほど大きくなっていく。(20km地点でも低下しているが、40km地点よりは落ちていない)
研究目的:走者のレベルごとに走り方に違いはあるか?
マラソンタイムごとに走力レベルごとに違いがでるはず。そして、走力ごとに走り方が違うはず。それをマラソンのスプリットタイムごとに分析してみようという研究目的です。
研究方法:10km毎のスプリットタイムから平均低下率を計算する
研究方法は簡単で、各走者の10km毎のスプリットタイムをだし、その速度低下率を計算していくだけです。
研究結果
・上記の結果概要に記述した通り、レベルが高いほど速度低下率が低い。上位の者は95%以上とほとんど落ちていない。
・その速度低下は距離がなくなるほど、比例的に大きくなる。これはどの速度でも同じ。
例:4時間52分ゴールのランナーは下記のようにスプリットが落ちていく
10km : 100%
20km : 98%
30km : 89%
40km : 74%
考察/補足
・基本ですが、イーブンペースで走ることの重要性がこの結果からわかると思います。
・面白いのは男子と女子の結果の差です。同じサブ4レベルでも、男子は85%、女子は92%です。同じ記録だと、女子のほうがレベル/経験値が高く、イーブンペースで走れているということです。男子でサブ4というと、そこまで経験していない人も混じっていますが、女子はそれなりの経験値がないとこのレベルに達するのは難しいからでしょうか。
・ただ、短距離での研究では、前半逃げ切り型のほうが速かったという結果もでています。ただマラソンはイーブンがよいみたいです。
・最近はネガティブスピリット(後半追い上げ型)が一番よいという結果も出始めていますね。この研究だと平均をとっているので、さすがに後半速くなることはないですが、一人ひとりの結果をみると面白いかもしれません。
これに対して、皆様の考え等あれば、コメント頂けるとありがたいです_(._.)_
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