対数関数(log)の演算法則をシミュレーションで理解![数学入門]
前回記事で、対数関数(log)とは何かをシミュレーターを用いて説明しました。その中でも対数関数グラフの特徴や公式を説明しましたが、本記事ではそれに加えて、とても大事な対数関数の演算法則を説明していきます!
対数関数(log)をとると、掛け算だったものが足し算になったりします。パッと見では難しそうですが、意味を考えていけば十分に理解できる内容です!ここでもシミュレーターを用いて説明していきます!
目次
対数関数の重要公式1:指数/対数の表記変換
$$ \large{ a^y = x ⇔ y = log_{a} x }$$
これは前回記事で説明したとおり、これが定義みたいなものですね。
対数関数の重要公式2:掛け算の分解
$$ \large{ log_{a} (M \cdot N) = log_{a} M + log_{a} N }$$
コチラの記事で書いた通り、任意の正数は\( a^b \)というaを底にした指数形式で表すことができます。どんな正数もaの○乗という形で表記できるということです。そう考えた場合、MとNを
\( \normalsize{ N = a^n 則ち n = log_{a} N }\)
という表記にできるはず。こうした場合、M・Nは
と表記できます。つまり、aをm+n回かけたものなんですね。元の指数同士の足し算です!
そのため、上記式に対してlogをとると
と変形できます。つまり、M・Nという乗算式のlogは、log M と log Nの足し算に分解できるということです。
対数関数の重要公式3:割り算の分解
$$ \large{ log_{a} \frac{M}{N} = log_{a} M – log_{a} N }$$
こちらも上記の考え方と同じですね。割り算であっても\( \frac{M}{N} = M \cdot \frac{1}{N} \)と表現できるので、
と書けます。そして、\( log_{a} N = n \)とすれば、その逆数\( N^{-1} \)のlogは-nになります。-1乗すれば逆数になるからです。ですので、単純に
となるわけです。
対数関数の重要公式4:指数の扱い
$$ \large{ log_{a} M^r = r \cdot log_{a} M }$$
これは上記の乗算の考え方を応用すれば簡単です。M^rはMをr回かけたものですから、公式2のように乗算を分解すると、
のように表せます!
対数関数の重要公式5:底の変換
$$ \large{log_{a} M = \frac{log_{b} M }{log_{b} a } }$$
これは底の変換と言われています。aが底だった式を、bが底の式に変換しているわけです。
\( \normalsize{ M = b^{M’} 則ち M’ = log_{b} M }\)
とすると、\(log_{a} M \)は\(\frac{M’}{A’} \)と言えます。ならぜなら、bをA’回かけた数を、何乗すればbをM’回かけた数にできるか考えると、単純にその割り算になるからです。つまり、
となるため、\(\frac{M’}{A’}\)が求めるべき数です。ですので、最終的に
と変形できるわけです。
⇒ 底の数を何にするかの違いは、底同士の対数の逆数(\(\frac{1}{log_{b} a}\))倍になるだけの違いなんです。
底が変わったからって、関数グラフの形状が複雑に変化するわけではないです。関数グラフの形状は同じで、その倍率が違うだけなんですね!
シミュレーションでM・Nのlogが足し算になることを理解しよう!
上記のように色々な法則を説明してきましたが、重要なのは乗算された数のlogをとると、logの足し算に分解できるという事です!この関係性をシミュレーションで理解しておきましょう!
↓計算結果
- 対数内の掛け算はlogの足し算に、対数内の割り算はlogの引き算となる
- log内の指数は、logの前に係数としてもってこれる
- logの底の違いは何倍になるかの違いだけで、グラフ形状は変わらない
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