音速の物質による変化をシミュレーターで解説![物理入門]
本ページでは物理の音速とその変化をシミュレーターを用いて分かりやすく解説します!
目次
音波とは(復習)
音波とは、縦波で空気中を伝わるの波動です。↓のように、各空気中の分子が振動をすることにより、粗密波(縦波)ができ、それによって「音」が伝わるわけです!
(薄い点は、縦波を分かりやすいように横波に変換して表示したもの)
音の速度の決まり方
空気中の音速は340m/sでほぼ一定
音は鳴った瞬間にすぐに届くように思えますが、速度が決まっています。
\( \displaystyle v = 340 (m/s)\)
1秒間に340mと高速に進みます。だから、1km先から発せられた音は約3秒後に届くのです。一瞬で届くわけじゃないんです。
厳密には、温度によって音速は異なる
音速が340m/sといいましたが、実は温度によって速度は異なります。厳密な空気中の音速は↓の通りです。
\( \displaystyle v = 331.5 + 0.6t (m/s)\)
* t = 気温(℃)
つまり、0℃で331.5m/sで、温度が1上がると0.6m/s速度が上がるんです。コチラの熱力学のページでも解説していますが、温度が上昇すると、空気中の分子の速度も速くなります。だから、より速く音が伝わりやすくなるんです。
気温が15℃の時、音速は約340m/sとなるため、これを概算値として通常は用います。
物質によって、音速は異なる
↑のように解説しましたが、これは「空気中」での話です。実は、音速は物質によって速さが大きく変わります。
二酸化炭素:258 m/s
水:1500 m/s
ベリリウム: 12900 m/s
空気中は340m/sの音速でしたが、ベリリウムなどの個体物では10000m/sを超える速度で音が伝わることもあるんです!気体の場合は、その気圧と分子密度によって音速が決まります。
音が通過する物質が変わっても、振動数は変わらない⇒波長が変化
音は空気中だけでなく、様々な物質を通って伝わっていきます。通る物質が異なると、音速が変わります。
この時、振動数は物質が変わっても一定です。そして、「速度 = 波長 × 振動数」という関係性があるため、物質が変わると音速に比例して波長が変化することになります。音速が2倍なら、波長も2倍になるんです!
↓赤色部分と青色部分で音速が異なる場合。物質によって波長が変わる
音速の変化をシミュレーターで確認しよう!
それでは実際にシミュレーターで音速の変化を確認してみましょう!赤色部分と青色部分で、音速が異なる場合を考えてみましょう!
- ↓のスライドバーで赤色部分の速度と青色部分の速度を指定すると、シミュレーターが動きます
- 実点で縦波の動き、薄い点で横波に変換した動きを表示します
- 波は左から、赤部分→青部分→赤部分と順番に伝わっていきます
- 赤部分と青部分で伝わる速度と波長が変わること、しかし振動数は変わらないことを確認しましょう
- 動きが速いので、再生速度を調整して観察してみましょう
- 音は標準環境では340 (m/s)で伝わる
- ただし物体によって音が伝わる速度が変わる。その違いは波長が変わることによるもの
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