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物理入門:「斜方投射の最適角度」をシミュレーターを使って考えよう!

$$\newcommand\CB[1]{\textcolor{blue}{#1}} \newcommand\CR[1]{\textcolor{red}{#1}} \newcommand\CG[1]{\textcolor{magenta}{#1}}$$

前回の記事で、「斜方投射」をシミュレーターを用いて解説しました。

今回は、「どのような角度で斜方投射すれば、一番ボールが飛ぶか」という観点で考えてみます!

物理入門:「斜方投射の最適角度」をシミュレーターを使って考えよう!

「斜方投射の最適角度」シミュレーター

まずは実際にシミュレーターで動かして見ましょう!

操作方法
  • 実行ボタンを押すと、設定した初速v,投射角度で、斜め方向にボールが投げ出されます
  • スライドバーで初速v,投射角度を自由に変えられます
  • グラフ表示項目を選択すると、x,yそれぞれの位置/速度/加速度をリアルタイムにグラフ化して表示します

色々な方向にボールを投射させて、どの角度で投げるのが良いか、実験してみましょう!

初速v
40
角度
20

経過時間 : 0.0
飛距離 : 0.0 m


グラフ表示項目位置  速度  加速度 
 xを赤色,yを赤色で示しています

再生速度
1.0
↑このバーで再生の速度変更・一時停止ができます

シミュレーター結果解説

以下、シミュレーターの結果を解説していきます。

地面到達時間と飛距離

地面到達時間と到達位置は前回の記事の通り、↓のようになります。

地面到達時間

\( t \displaystyle= \frac{2 v_{y0}}{g}\)

  • \(v_{y0}\) : 鉛直方向の初期速度
  • \(g\) : 重力加速度
飛距離

\(x \displaystyle = v_x t \)
\( \displaystyle = \frac{2 v_{y0} v_{x0}}{g} \)

  • \(v_{x0}\) : 水平方向の初期速度
  • \(v_{y0}\) : 鉛直方向の初期速度
  • \(g\) : 重力加速度

このように、簡単な式で斜方投射の距離を計算できます。

斜方投射の最適角度

斜方投射の最適角度は「飛距離を定式化」すれば分かります。

ここで、y方向の初速\( v_{y0}\)とx方向の初速\( v_{x0}\)は、初速v(斜め方向の速度)を用いて

\( v_{y0} \displaystyle = v sinθ \)
\( v_{x0} \displaystyle = v cosθ \)

と表せます。絵で表すと↓のような感じ。

(コチラで解説しているsin,cosの使い方参照)

とすると、これを代入すると、

\( 飛距離 \displaystyle = \frac{2 v_{y0} v_{x0}}{g} \)
\( \displaystyle = \frac{v sinθ * v cons θ}{g} \)
↓ sin,cosの積和公式
\( \displaystyle = \frac{v^2 (sin{2θ} + sin0 )}{2g} \)
\( \displaystyle = \frac{v^2 sin{2θ}}{2g} \)

となります。sinは「2θ=90度」の時「\(sin{2θ}\)=1」となり一番大きくなるので、結局

\(θ \large= 45°\)

のとき飛距離が最大となります!

このように定式化すると、「飛距離は初速vの2乗に比例すること」「sinθに飛距離が依存すること」が明白になります。
実際にこの式の通りになるか、上記シミュレーターの初速vと角度θを変えてきて実験してみましょう!
 

「水平投射」まとめ

  • 斜方投射の距離は\(\large{x=\frac{v^2 sin{2θ}}{2g}}\)の式で求められる
  • \(sin{2θ}\)が最大化されるθ=45度が最的角度となる

 

[関連記事] 物理入門: 重力・落下シミュレーター
7.斜方投射の最適角度(本記事)


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