「ベクトルの大きさ」をシミュレーション/図解で理解しよう![数学入門]
本ページでは数学のベクトルの基礎について、シミュレーターを用いてその意味・定義について解説しています。是非、シミュレーターがありますので、イメージを掴んでもらえばと思います!
今回は「ベクトルの大きさ」についての解説です。前回、ベクトルは向きのある矢印みたいなものと説明しました。今回はその矢印の大きさをどう定義するか解説します!
目次
ベクトルの大きさとは?
ベクトルは↓の例のように、向きのある矢印みたいなものです。2次元であれば、(x,y)と各成分で表せます。例えば、(4,8)のベクトルは↓の図のようになります。
この時に、ベクトルの大きさは以下のように、定義できます。
\( \vec{a}の大きさ \)
\( |\vec{a}| \)
\( = ベクトル線の長さ \)
つまり、ベクトルのこの斜めの線の長さを求めればいいわけです!また、ベクトル\( \vec{a} \)の大きさは、\( |\vec{a}| \)と絶対値記号で囲んで表すことも覚えておいて下さい。
2次元ベクトルの大きさ
2次元ベクトルの時には三平方の定理を用いれば、↓のように簡単にベクトルの大きさが求められることになります!
\( |\vec{a}| = ベクトル(x,y)の大きさ \)
\( \displaystyle = \sqrt{x^2 + y^2 } \)
例えば、↓の図の(x,y)=(1,2)のベクトルについては
\( \vec{a}の大きさ=\sqrt{1^2 + 2^2 }=\sqrt{5 }\)
と計算できます。
3次元ベクトルの大きさ
3次元のベクトルの場合も同様で、
\( |a| = ベクトル(x,y,z)の大きさ \)
\( \displaystyle = \sqrt{x^2 + y^2 + z^2} \)
と定義できます。これはx,y,z成分で出来る斜め線の長さになります。ほぼ2次元の時と一緒ですね!
例えば、↓の図の(x,y,z)=(1,2,3)のベクトルについては
\( \vec{a}の大きさ=\sqrt{1^2 + 2^2 +3^2}=\sqrt{14}\)
と計算できます。
補足:4次元以上も同じように大きさを定義出来る!
一般化してn次元ベクトルを\( \vec{a} = (x_1,x_2,…,x_n) \)と表現した場合、その大きさは
\( |\vec{a}| = ベクトル(x_1,x_2,…,x_n)の大きさ \)
\( \displaystyle = \sqrt{x_1^2 + x_2^2 + … +x_n^2} \)
と表現できます。各成分を二乗してその和のルートをとれば、ベクトルの大きさになります。
シミュレーションでベクトルの大きさを理解しよう!
ベクトルの大きさを直感的に理解するため、2次元と3次元でベクトルを図示し、大きさを計算するシミュレーターを用意しました。是非、色々実験してみて下さい!
2次元ベクトル シミュレーター
まずは簡単に2次元の例からです!↓のx,y成分を変更すると、赤矢印のベクトルが動きます。色々変更してみて、どう大きさが変わるか実験してみて下さい!
3次元ベクトル シミュレーター
次に3次元の例です!↓のx,y,z成分を変更すると、赤矢印のベクトルが3D空間の中で動きます。3つの成分を組み合わせれば、3次元のどんな方向でも示すことができます。
ベクトルを色々変えてみて、大きさが変わる様子を確認しましょう!
まとめ:ベクトルの大きさは、ベクトル斜め線の長さ!
ベクトルの長さは簡単です。各成分から出来るベクトル(斜め線)の長さを求めれば良いだけです。そして、その値は↑で解説したように、各成分の二乗の和を計算し、ルートをとれば求められます!
次回はベクトルの実数倍・大きさの変更について解説します!
- ベクトルの大きさ=斜め線の長さ
- 各座標の二乗の総和を計算し、ルートをとれば求められる
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