「複素数の乗算」をシミュレーターで理解しよう![数学入門]
このページでは複素数について、分かりやすく解説しています!
今回は「複素数の乗算」をシミュレーターを用いて分かりやすく説明します!
おさらい:虚数、複素数とは
複素数とは
実数+虚数の組み合わせを一つにしたものを複素数といいます。
複素数 = 実数と虚数の組み合わせ
例えば「+1.9 + 2.9i」という形です。
複素数は↓のように二次元のグラフで表現します。これを複素数平面といいます。
複素数のもう一つの表し方:極形式
複素数はその他にも複素数を表すための方法があるんです。それが極形式になります!
複素数を↓のように絶対値rと偏角(角度)θであらわしたもの
複素数z = \(r(cosθ + i \ sinθ)\)
コチラのページでも解説していますが、三角関数cosとsinを使えば、↑のように半径rと角度θで位置を表せるんですね。
また、複素数の場合はこの角度を偏角といいます!
例えばr=7,θ=30°だった場合は↓のようになります。
複素数の乗算
複素数の演算は極形式で考えるとわかりやすいです。
ここで↓のように二つの複素数 \(z_1\)と\(z_2\)の乗算を考えます。
\( z_2 = r_2(cosθ_2 +i \ sinθ_2)\)
すると↓のように計算できます
\( = r_1r_2(cosθ_1 +i \ sinθ_1)(cosθ_2 +i \ sinθ_2)\)
↓cos,sin部分を掛け合わせ
\( = r_1r_2(cosθ_1cosθ_2 +i \ sinθ_1cosθ_2 \)
\( + i \ cosθ_1sinθ_2 -sinθ_1sinθ_2)\)
↓実数、虚数ごとでまとめる
\(=r_1r_2\{(cosθ_1cosθ_2 -sinθ_1sinθ_2)\)
\(+i(sinθ_1cosθ_2 + cosθ_1sinθ_2)\}\)
ここで重要になるのが加法定理です。α=\(θ_1\),β=\(θ_2\)とすると、cosが実数部分、sinが虚数部分にあてはまっているのがわかると思います。
$$ \displaystyle cos(α + β) = cosαcosβ – sinαsinβ $$ $$ \displaystyle sin(α + β) = sinαcosβ + cosαsinβ $$
故に、加法定理を適応すると↓のようになります。
\(=r_1r_2\{(cosθ_1cosθ_2 -sinθ_1sinθ_2)\)
\(+i(sinθ_1cosθ_2 + cosθ_1sinθ_2)\}\)
↓加法定理適応
\( = r_1r_2\{cos(θ_1+θ_2)+i \ sin(θ_1+θ_2)\}\)
つまり、複素数の乗算は「絶対値は乗算」「偏角は足し算」という演算になるんです!
具体的に\(z_1\)を赤色、\(z_2\)を青色として、乗算したものを緑色で示したのが↓になります。
絶対値(長さ)は掛け算されて、2.0*3.0=6.0となります。
それに対して角度は100+40=140°と足し算なるんですね!
「複素数の乗算」をシミュレーターで理解しよう!
それでは解説してきた、「複素数の乗算」をシミュレーターで確認してみましょう!↓の形で指定すると、\(z_1\)と\(z_2\)を乗算して\(z_3\)を計算するものです。
\( z_2 = r_2(cosθ_2 +i \ sinθ_2)\)
- ↓各パラメタを指定すると、\(z_1\)と\(z_2\)を乗算した\(z_3\)を計算します
- \(z_1\)は赤色、\(z_2\)は青色、そして乗算結果\(z_3\)は緑色で示しています
- ↑で説明したとおり、絶対値は掛け算、偏角は足し算となることを確認しましょう!
\(z_3\) = (cos()+i sin())
- 複素数の乗算は極形式で考えるとわかりやすい
- 加法定理によって、複素数の乗算は「絶対値は乗算」「偏角は足し算」で求められることが証明できる
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