「クーロン力の足し合わせ」をシミュレーションで理解しよう![物理入門]
前回の記事で、電荷とクーロン力について解説しました。今回は複数の電荷がある場合を、ベクトルを用いて解説していきます!
クーロン力のおさらい
最初に前回記事のおさらいです。2つの電荷にかかるクーロン力は↓のように計算できます。
\( \displaystyle \large{F = k \frac{|q_1||q_2|}{r^{2}}} \)
- \(q_1\),\(q_2\) : 電荷1,2の電気量[C]
- \(r\) : 2電荷間の距離[m]
- \(k\) : 比例係数で、真空中で\(9.0 × 10^9\)
2電荷が同じ符号の時:離す方向
2電荷が違う符号の時:引き合う方向
大事なポイントは「2つの電荷は近づくほど強くなる」「電荷の符号が同じか否かで方向が変わる」です。↓のように、電荷の符号のパターンでかかる力の方向が変わるんですね。
[電荷の符号が同じ場合(プラスとプラス,マイナスとマイナス)]
[電荷の符号が異なる場合(プラスとマイナス,マイナスとプラス)]
複数の電荷がある場合は、クーロン力の合力を計算すればよい!
今回、複数の電荷がある場合を考えます。このときも、考え方は同じです。基本は↑の式で2つの電荷にかかる力を計算するだけ。その後に、力の合成の減速に基づいて、ベクトル的に複数のクーロン力を足し合わせば良いだけです!
[力は↓のようにベクトル的に足し合わせできる]
複数の電荷が及ぼす力をシミュレーターで確認しよう!
電荷が3つあるとき、ある1つの電荷にどのように力がかかるかを観察してみましょう!この場合は力の方向が重要なので、2次元で表現します。
- スライドバーによって左の電荷(電荷1),右の電荷(電荷2),2つの電荷の距離と中央の電荷(電荷3)が変えられます
- 黄色く示されている電荷3はマウス/タップでドラッグ可能です
- シミューレーター上では、電荷3にかかるクーロン力を青矢印で示し、その合力を赤矢印で図示します
- 電荷はマイナスからプラスまで変更できます
- 電荷3をドラッグで移動したり、電荷の符号を変えたりして、クーロン力がどのように変化するか確かめてみましょう
シミュレーターで実験して、どのような変化をするか確認してみましょう!
シミュレーター結果の要点
シミュレーター結果で分かる通り、複数の電荷がある場合も、クーロン力の足し合わせで計算可能です。↓のように電荷3が、電荷1と電荷2から及ぼされる力を計算し、その合力を計算すれば赤色矢印の力が働くことがわかります。
↓のように各クーロン力は前回記事で計算したように計算しています。なので、各クーロン力は2つの電荷を結んだ線上に力の向きがあることに注意して下さい。
次回は、このクーロン力の考え方を発展させて「電界・電場」という概念について考えていきます!
- 各電荷がもたらすクーロン力ベクトルを計算し、合力を計算すれば最終的にかかるクーロン力が求められる
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