電荷・クーロン力(静電気力)をシミュレーションで理解しよう![物理入門]
本記事から電気・電磁気学の分野を解説していきます。今回はクーロン力(静電気力)をシミュレーターを用いて解説していきます!
電気・電子とは?
この世には電気的にプラスだったり、マイナスだったりするモノがあります。プラスイオンとかマイナスイオンとかがその例ですね。この電気の量を電荷といいます。電荷にはプラス・マイナスの符号が付きます。
そもそも何故電荷が発生するかというと、電子と陽子のバランスが崩れるからです。基本的に↓の原子の絵のように原子はプラスの陽子とマイナスの電子が同じ量含まれてます。しかし、色んなきっかけで電子が追加で加わったり、電子が抜けてしまったりするわけです。
これにより、プラスイオン/マイナスイオンという状態が発生し、プラス/マイナスの電荷が発生するわけです!
電荷(電気量)の強さをクーロンという単位で表します!
電荷には符号とともに強さがあります。これをクーロン[C]という単位で表します。このクーロンで陽子と電子の電荷を表すと↓のようになります。
電子の電荷 = \( \displaystyle -1.6 × 10^{-19} \)クーロン[C]
陽子と電子で符号が逆になるので↑のようになります。なんだか中途半端な数に見えますが、、、日常で使うアンペアとは↓のような関係があります。ここについては、後記事で説明します!
2つの電荷は互いに力を及ぼし合うことをシミュレーターで確認しよう!
電荷が2つあると、互いに力を及ぼし合います。これをクーロン力(静電気力)と言います!このクーロン力は「2つの電荷の距離」「2つの電荷の大きさ」「2つの電荷の符号」によって変化します!
細かい説明をする前に、、、このクーロン力がどのように力を及ぼすのか、シミュレーターで実験して観察してみましょう!
- スライドバーによって左の電荷,右の電荷,2つの電荷の距離が変えられます
- 電荷は赤色でプラス、青色でマイナスを表します
- シミューレーター上で赤矢印でクーロン力の大きさと向きを図示します
- 電荷はマイナスからプラスまで変更できます
- 電荷の符号を変えたり、距離を変えたりしてクーロン力がどのように変化するか確かめてみましょう
クーロン力の式を解説!
↑のシミュレーターで↓のような動きを確認できたと思います。
- 近くなると力が大きくなる
- 2電荷が同じ符号だと離す方向に力が働く
- 2電荷が違う符号だと引き合う方向に力が働く
これは、以下のようにクーロン力が決まるからです。
\( \displaystyle \large{F = k \frac{|q_1||q_2|}{r^{2}}} \)
- \(q_1\),\(q_2\) : 電荷1,2の電気量[C]
- \(r\) : 2電荷間の距離[m]
- \(k\) : 比例係数で、真空中で\(9.0 × 10^9\)
2電荷が同じ符号の時:離す方向
2電荷が違う符号の時:引き合う方向
簡単にいうと、クーロン力は遠くなるほどr=距離が大きくなり、↑の式の分母が大きくなってドンドン小さくなっていきます。近くにいると、大きな力をもたらす力なんです!また、互いの電荷の乗算値に比例して力が大きくなっていくんです。また、電荷1と電荷2で互いにかかる力は同じなんです。
このクーロン力、向きは↑の通り、符号によってきまります。
[電荷の符号が同じ場合(プラスとプラス,マイナスとマイナス)]
[電荷の符号が異なる場合(プラスとマイナス,マイナスとプラス)]
これは磁石と似ていますね!N極とS極同士は引き合うけど、同じ極同士は離れ合う。そんな感じです。
まとめ
今回説明したように、クーロン力は電荷同士で働く力です。この力は↓のような式で決まります。距離が近づくことで力Fが大きくなるのがポイントです!また電荷のプラス・マイナスで力の向きが変わることに注意しましょう。
\( \displaystyle \large{F = k \frac{|q_1||q_2|}{r^{2}}} \)
- \(q_1\),\(q_2\) : 電荷1,2の電気量[C]
- \(r\) : 2電荷間の距離[m]
- \(k\) : 比例係数で、真空中で\(9.0 × 10^9\)
次回は複数の電荷が存在する場合について説明します!
- 電子と陽子のバランスが崩れて、プラス/マイナスの電荷が生まれる
- 電荷は同じ符号同士は反発し、違う符号同士は引き合う
- 距離が近いほど強い力が生まれる
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