「バネばかり」の原理をシミュレーションで理解しよう![物理入門]
前回の記事では、バネに働く力について説明しました。フックの法則による力が働き、自然長からの変位に比例した力が働くんです。
今回はこの性質を利用したバネ計りの原理をシミュレーターで説明します!
目次
おさらい:バネによる力の法則
まずはおさらいです。バネの力は↓のような力が働きます。
バネによる力 \(F = -kx\)
- k : バネ定数
- x : バネの自然長からの変位[\(m\)]
↓バネからの変位によって縮まる力・押す力が決まります。
↓自然長からの変位が2倍になると、力が2倍になります。これがバネによって働く力です!
バネを縦にして物を吊るすと、モノの質量が測れる
バネは重力と等価になるまで伸びていく!
バネに縦にしてモノを吊るすことを考えてみます。↓のような感じです。
この時に重要なのは「バネの引っ張る力が重力と一致するまで、バネは伸びていく」ということです。↑の絵の通り、バネが自然長の場合は、力が全くつりあっていません。重力によりモノは下にさがっていきます。
モノが下がっていくと、、、バネが伸びて力が増していきます。ただ、「重力(緑色)>バネの力(青色)」なのでまだ下がっていきます。
最終的に、「バネの力=重力」となる位置でモノは安定します。「モノが静止している=力の合計が0となる」はずであるので、上下の力は同じになっているはずなんです。
モノが安定する位置
バネが安定する位置では、重力とバネの力が一致するので↓の式が成り立つはずです。
\( mg = kx\)
- \(m\) : 質量[\(kg\)]
- \(g\) : 重力加速度[\(m/s^2\)]
- k : バネ定数
- x : バネの自然長からの変位[\(m\)]
ここで、重力加速度g=9.8なのでこれを代入すると、、、↓のようにバネ定数と変位xから質量が推定できるんです!これがバネばかりの原理です!
\( \displaystyle m = \frac{kx}{9.8}\)
シミュレーターで「質量とバネの関係」を確認しよう!
それでは上で説明した「バネと質量mの関係」をシミュレーターで実際に確認しましょう!
- スライドバーによって質量m(kg)とバネ定数kが変えられます
- 指定した条件に従って、力がつつり合う位置までバネが伸びます
- バネの変位が質量に比例することを確認しましょう
- バネ定数と変位から、↑の式で質量mが逆算できることを確認しましょう
↓スライドバーを変化させて実験してみましょう!
まとめ:バネを縦にしてモノをのせると、重力が推定できる
簡単にまとめです。今回解説したとおり、バネを縦にしてモノをのせることで重力とバネの力がつり合うようになります。
バネの力はその変位から推定できるので、それによって質量を測ることが出来るわけです!
ある意味で「バネ=力Fを長さで示してくれる測定器」とも言えるわけです!
- バネと重力が釣り合う位置がある
- その時のバネの変位を測れば、物体の質量が推測できる(バネ測りの原理)
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