円順列をシミュレーターで理解しよう![数学入門]
この記事では、前回記事に続いて数学の基礎の「順列(並び順)」について解説していきます。今回は普通の順列ではなく、下図のように円になっている順列のパターンを考えてみます。
普通の順列とは少しパターン数が違いますが、イメージさえ付けば簡単です!
円順列でのパターン数を考えてみよう!
円順列とは上図のように円になっている順列です。普通の順列と違い、円環になっているので注意が必要です。なぜなら普通の順列パターンで並べても、「円を回すことによって同一とみなせるパターン」があるからです。
今、円順列を順列とみなすために↓のように順列を数えていくことにします。1を始点として時計回りに数えていきます。
↑の例の場合は、↓のような順列とみなすとします。
このように考えた時に、個数nで出来る円順列のパターンは順列と同じように思えますが、、、実は違います。
例えば、以下のパターン1とパターン2は円順列の場合同一です。
何故なら、パターン1を右に二回まわせば、ちょうどパターン2と一致するからです。円順列の場合は重複パターンがあるため、順列で列挙した数よりもパターンが少なくなるのです!
円順列のパターン数は個数nとして、(n-1)!となる
結論からいうと、円順列のパターン数は個数をnとすると
\( (n-1)! = 1 \cdot 2 \cdot 3 … \cdot (n-1) \)
になります。順列のパターン数は
\( (n)! = 1 \cdot 2 \cdot 3 … \cdot (n) \)
でしたので、「n倍少ない」ということになります。なぜなら、個数nの円順列はn回まわせ、nパターン重複があるからです!これはシミュレーターで見てみると一瞬で分かります。
シミュレーターで円順列の重複パターンを理解しよう!
個数nのときにnパターンの重複があることを理解しやすくするために、円順列シミュレーターを用意しました。
- 個数nを指定すると、自動的にランダムの円順列が生成されます
- その後、円順列を回して重複する順列を列挙していきます
- n個の円順列の場合はn個の重複があることを理解しましょう
↓個数nを変化させると、自動的にシミュレーターが動きます!色々数を変えて確かめて見ましょう!
シミュレーション結果のまとめ
上記のシミュレーターそのままですが、最後にその結果を確認しておきます。
↓はn=7の例です。この図の通り、7パターンの重複があります。列挙された全パターンが同一と見なされるため、1パターンとしかカウントされないわけです。
なので、この円順列の総パターン数は結局、\( \frac{7!}{7}= 6!\)となるのです!
- 円順列では個数nのときにnパターン重複あるので、その分割らないといけない
- その他は通常の順列と同じ
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