物理入門:「合力・力のつり合い」をシミュレーターを用いて理解しよう!
前回、F=ma (運動の第2法則)という重大な法則について解説しました。この法則の定義は以下の通りです。
力の作用を受けることによって、同じ向きに加速度が生じる。その加速度は、力に比例し、物体の質量に逆比例する。
力が発生すると、その作用として加速度が生じるという重大な法則です。このように解説しましたが、1つだけ注意点があります。それは「物体にかかる力を計算する時は、力のつり合いを考慮する必要がある」ということです。
この「合力・力のつり合い」について今回は解説します!
目次
力は足し算できる!
前回は力が一つだけかかっている場合を考察しました。それでは、↓のように2つ以上の力が物体にかかっている場合はどうでしょうか?
この場合、「力を足し算する」ことで、最終的にかかる力・加速度が計算できます。これを合力と呼びます。合力は、かかる力をそのまま足し算すればOKです。ただし、逆側に力がかかっていた場合は、その力をマイナスとみなして足し算します。
例えば↓の例の場合、右側のF1が30、左側のF2が20なので、最終的な合力は上で赤色で示しているF=10となります。最終的に物体にかかる力はこのF=10になり、ここからF=maの式を使って加速度を計算すれば良いわけです!
シミュレーターで「力のつり合い」の意味を理解しよう!
それでは上記の「力のつり合い」の意味を、シミュレーターを使って確認してみましょう!
- ↓では力がつり合った状態になっています
- 「F1,F2のちからの大きさをスライドバーで変えられます
- 値を変更して合力がどのように変化し、最終的に加速度がどうなるか観察しましょう
- F2はマイナスを省いていますが、左向きに働く力として設定しています
値を色々変えて、実行してみましょう!
「力のつり合い」に関する重要なポイント
上のシミュレーターで理解しておくべき重大なポイントが2つあります。
重要ポイント1:力がつりあった時には、加速度=0となる
最終的に物体に働く力は足し算結果の「合力」です。ですので、力が2つかかっていても、それらがつり合っていた場合、かかる力と加速度は↓のように0となります。
ですので、力がかかっていても、物体に加速度が働かない場合もあるんです。まさに、地球上の重力がそれで、物体は地面からの抗力を受けることで、力がつり合い、加速度0の状態にあるんです!
重要ポイント2:力がつりあって合力0でも、速度が0になるわけでない
これも、加速度について理解出来ればわかることです。合力が0になるということは、加速度が0になるということです。加速度が0になったときに速度を持っているならば、その速度がその後維持されます。
あくまで力・合力は加速度だけに影響を与えて、それが0ならば速度には影響しないことに注意して下さい!
ちなみに、「合力が0の場合には、速度が維持される」という事実は「慣性の法則」「運動の第1法則」といいます!
重要な性質なので理解しておきましょう!
- かかっている力を合算して合力を計算すれば、加速度が計算できる
- 合力が0なら、物体は「停止」or「等速運動」をし続ける
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