物理入門:「加速度」とは何か?をシミュレーターで改めて確認・理解してみよう!
目次
加速度の定義の解説!
前回は物理の世界の中での「速度」について説明しました。今回はそれに紐づく「加速度」について説明していきます。物理の世界では加速度がとにかく重要になりますので、シミュレーターでイメージをつけておきましょう!
加速度の定義
加速度とは、「1秒あたりに速度がどれぐらい変動するのか」を表す数値です。その定義は↓のようになります。
速度の変化があったとき、その変化にかかった時間で割ることで、どれぐらい速く速度が変化したかを表すことができます。これが加速度です。
ここで、速度と加速度の定義を見比べてみましょう。
\( 加速度(m/s^2) \displaystyle = (\frac{速度の変化(m/s)}{時間(s)}) \)
すごく似ていますよね。違いは分子が「変位(m)」か「速度の変化(m/s)」の違いだけです。速度も加速度も時間辺りの変動を表す値なんです。
ただ「加速度=速度の1秒辺りの変動」「速度=変位の1秒あたりの変動」であり、↓のような関係にあります。
加速度によって速度の変化が決まり、その速度によって位置の変化が決まるんです。ある意味では加速度が速度/位置変動を起こしているとも言えます。
シミュレーターで「加速度」の意味を理解しよう!
それでは早速、上で解説した「加速度」に関する実験をシミュレーターを使ってしてみましょう!
- 実行ボタンを押すと、赤ボールが移動しはじめます
- スライドバーで赤ボールの加速度をリアルタイムに変動出来ます
- ボールの変動と同時に、位置/速度/加速度の変動をグラフ上で確認できます
加速度を変動させて、位置/速度/加速度の関係を理解しましょう!
グラフ表示項目位置
速度
加速度
「加速度」に関する重要なポイント
上のシミュレーターで加速度/速度/位置の関係をなんとなく理解できたと思いますが、その重要な性質を解説しておきます!
重要ポイント1:加速度が一定なら、位置は直線的に変化する
加速度が一定値であるなら、毎秒その値が速度に加算されます。なので、加速度一定なら、速度は直線的に増加・減少していきます。
重要ポイント2:加速度が一定なら、位置は二次曲線のように伸びていくく
加速度が一定値であるなら、速度は直線的に伸びていきます。その結果、位置は加速度的に伸びていきます。速度自体が増加していくため、位置の変動はさらに激しくなるわけですね。
ですので、位置は↓のように二次曲線のような形で増加・減少していきます(図は速度マイナスの状態から、プラス方向に加速した様子)
このように加速度一定で速度増加していくと、速度が毎秒増加していき急上昇していきます。最終的には↓のように、ほぼ垂直のような急な傾きで位置が変化していきます。シミュレーターで、超高速に移動している様子がわかると思います!
重要ポイント3:速度が高い/低い状態で、加速度=0にしてもボールが停止するわけではない。等速運動になる。
速度の場合、速度=0とするとボールはその場で停止します。しかし、加速度の場合は0になっても停止するとは限りません。
例えば速度=100m/sで加速度を0にした場合、ボールはその後も100m/sで進んでいきます。停止するわけではないです。これは、速度シミュレーターで確認した等速運動と同様の動きになります。
↓加速度=0にしても、速度が0でないため、ボールは移動し続ける
加速度がリアルタイムで常時変動すると、さらに複雑な動きになりますが、、、その性質は別記事で解説することにし、今回は割愛します。
まとめ:「加速度」とは速度を変化させる要因!加速度変動によって、速度/位置が変化していく!
最後にまとめです。加速度は↓の定義の通り、速度の1秒あたりの変化を表す値になります。加速度が増加するほど、速度の変動が大きくなります。
加速度(m/s^2)
\( \displaystyle = (\frac{速度の変化(m/s)}{時間(s)}) \)
\( \displaystyle = (\frac{(変化後速度) – (変化前速度)}{時間(s)}) \)
* m=メートル,s=秒
この加速度、定義が速度と似ています。実際「位置と速度」「速度と加速度」の対応関係はほぼ同じです。加速度は速度を変動させる要因であり、その速度は位置を変動させる要因であるため、「加速度は速度/位置を変動させる根本要因」とも言えます。
実際、物理の世界ではこの加速度が変動して様々な速度/位置の変動が起こっていきます。速度より直感的でなく、難しい面もありますが、↑のシミュレーターを使ってイメージを掴んでもらえたらと思います!
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