「需要と供給の価格弾力性」をシミュレーターで理解しよう![経済学入門]
今回は「需要と供給の価格弾力性」についてお話しします。難しい部分ですが、価格と需要/供給の関係性を考察する時に大事になってくる概念です!
目次
需要と供給の価格弾力性とは?
今回は需要と供給の価格弾力性について解説していきます。
「需要の価格弾力性」の定義
まずは需要の弾力性の定義です。
何やら難しいですね。この式の意味は、「価格が●●%変動したときに、需要/供給は○○%変わる」という関係性を考察したものです。
例えば↓は価格が50円→60円に変動したときの図です。価格変動率は(60-50)*100/50=20%となります。この時の需要の変化を見ると、50→30まで下がっていますね。ですので、需要変動率は(30-50)*100/50=-40%となります。減少率と考えると40%です。
ですので、上記の「需要の価格弾力性」の定義にあてはめると
となります。
「供給の価格弾力性」の定義
供給の価格弾力性も同様です。
この場合、上記と同様に考えると、価格変動率は20%、供給の増加率は50%なので、
となるわけです。この例で分かるように、価格弾性力はプラスの値となります。
何故、価格弾力性を理解する必要がある?何になるの?
価格弾力性を何のために計算するのか。それは、「価格弾力性を調べると、価格と需要/供給量の関係や、モノの性質が分析できる」からです!
価格を変えた場合の影響が分かる!
価格の弾力性は、その定義通り、「価格を変動させたときに、需要/供給量がどれぐらい変動するかを表した数字」です。価格弾力性が0.5なら、価格が10%あがっても、量は5%しか変動しません。しかし、価格弾力性が5なら、50%跳ね上がることになるんです。
価格弾力性を知っておくことで、「この商品は価格を上げるべきか、否か」の判断の材料になるわけですね!
↓価格弾力性5の例。少しの価格変動で、供給量が100%増と一気に変化していますね。
商品の性質を把握できる。必需品は弾力性が低く、嗜好品は弾力性が高い
価格の弾力性は、実は商品がどういったものかを表してくれます。一般的に、
嗜好品(贅沢品) ⇒ 需要の弾力性が高い
となります。「必需品 = 米や野菜といった生活に必要なもの」です。生きてくのに必要なもののため、あまりにも高くならない限りは買うしかないですよね。ですので、「価格が少し上がっても、需要はそんなに落ちない」んですね。故に、需要の価格弾力性が低いんです。
逆に、「嗜好品(贅沢品) = 生活には必要ないもの」です。ビールとかタバコや宝石等、生活に必ず必要なわけじゃないけど、あったら嬉しいレベルのものです。そういったものは、価格が高くなると需要が減りやすいです。つまり、価格が上がると需要は大きく落ちます。故に、需要の弾力性が高いんです。
↓弾力性が0.3の例。価格が20%上がっても、需要量はあまり変化していないため、「必需品」と言えそうです
シミュレーターを使って需要/供給の価格弾力性を理解しよう!
需要の価格弾力性シミュレーター
需要グラフの傾きが変えられますので、それによって「需要の価格弾力性」がどのように変化するか確認してみましょう。
- 価格の弾力性は、50円→60円と20%上昇したときに、需要がどう変化するかでチェックすることにします
- 需要グラフの傾きをスライドバーで変えられます
- 傾きによって「需要の価格弾力性」がどのように変化するか確認してみましょう
価格の弾力性は、50円→60円と20%上昇したときに、需要がどう変化するかでチェックすることにします。
= 0% ÷ 20%
= 0
供給の価格弾力性シミュレーター
需要のシミュレーターと同様です。供給グラフの傾きが変えられますので、それによって「供給の価格弾力性」がどのように変化するか確認してみましょう。
= 0% ÷ 20%
= 0
まとめ:価格弾力性を見れば、価格に対しての需要/供給の変化率が分かる!
最後にまとめです。価格の弾力性の定義は↓の通りです。
価格が少し変化した時、それにあわせて需要/供給がどのように変化するかを表します。弾力性が高いほど、敏感に価格に反応して需要/供給量が急増減するわけです。これによって、必需品か贅沢品かも判断できるわけです!
難しいですが、↑のシミュレーターで理解深めて頂けたらと思いますm(_ _)m
- 需要の価格弾力性 = 価格上昇に対して、需要がどれぐらい下落するかを表した数字
- 供給の価格弾力性 = 価格上昇に対して、供給がどれぐらい上昇するかを表した数字
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