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なぜ賭け/投資(株式/FX)市場はほとんどの人が勝てないのか?なぜ不平等な世界が生まれるのか?シミュレーションツールで解説!

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前回の記事で、自分の資産に比例した投資/賭け方をすると、一般人は資産家にほぼ100%確率論的には勝てないことを死ミューレーションを用いて示しました。簡単に言うと、「自分の資産に比例しない投資/賭けをしている方が圧倒的に強い」「膨大な資産を持っているほうが圧倒的に強い」のです。

今回はこの結果を用いて、なぜ株式やFXでほとんどの人が勝てないのか、勝者が10%にとどまるのかを示します。賭けや投資は1/2の確率で勝敗が決まります。原理的には。それなのに何故ほとんどの人が勝てないのかは疑問に思いますよね。そのあたりをシミュレーションでわかりやすく解説します!

賭け/投資(株式/FX)は長期的考えると、お金を持っている人のほうが圧倒的に強い

前回のおさらいです。基本的に資産の〇〇%賭けるというやり方は、長期的にかけていくと、資産0に確率的に収束していきます。例えば5%変動で考えた場合、1.05倍と0.95倍を何度もかけ合わせるような形で変動し、さらに長期的には1.05と0.95がほぼ同数出現するため、それにより資産は0に収束していくという論理です。

n回目:100万円×(1.05×0.95)×(1.05×0.95)×(1.05×0.95)…
 =100万円×0.9975×0.9975×0.9975×0.9975×…⇒ 0へ収束

これは変動率nが0以外の値であれば成り立ちます。なぜならば、賭けによる資産変動率がn%だった場合、下記のように買ったときの倍率と負けたときの倍率をかけ合わせると1.0倍以下となるからです。

(1+n*0.01)*(1-n*0.01)=1-0.0001*n^2

そのため、例え賭け幅が小さくても、資産の〇〇%賭ける/投資するというやり方は、短期的には勝率1/2ですが長期的に考えると勝率0%にまで落ちていきます

それに対して、お金を膨大に持っている相手は、「自分の資産に比例しない投資/賭けをしない」のです。というよりしなくてよい。ですので、長期的に何度も一般人と資産家が賭けで対戦することを考えると、お金を持っていない側が勝手に自滅するという結果となります。この論議については前回記事やシミュレーターをご確認下さい

例え平等な市場でも…最初にお金を持った人がさらに強くなっていく。

では、資産家などいない、平等な市場を考えます。このときはどうでしょうか。皆1/2の確率で、勝者が1/2で敗者が1/2のような平等的な市場になるのでしょうか。それは違います。例え最初が平等な市場でも、「そこからお金を持った強者が生まれ、一部の強者が市場を支配していく」ことになります。勝者はやはり10%程度になっていくのです。

それは、上記のとおり「お金を持っている方が、同等の金額を賭ける勝負では強い」からです。強いというのは一回一回の勝負ではなく、長期的にみてです。強者も弱者と同等の数だけ負けます。しかし、一度お金をもった強者(資産家)になるとそれによるダメージが低くなるんです。

例えば、弱者が自分の10%の資産をかけていき、強者がその資産と同額を賭けていく場合、弱者にとっては5回連続ぐらい負けただけで40%程度の資産を失います。しかし、お金をもっている強者は5回連続で負けても大きなダメージにはならないんです。自分の資産から相対的に見て、額が小さいから。

そうなると、、、「強い者はさらに強くなり、弱い者はさらに弱くなっていく」力が働きます。たとえ最初は平等な対戦/平等な市場であってもです。


言葉では難しくても、実際の動きを見れば一目瞭然!ほとんどの人が勝てない理由をシミュレーションで理解!

上記考察で一部の人に力があつまっていくのが分かると思いますが、実際どうなるのか見てみましょう。

平等市場から平等な取引をおこなっていくシミュレーションをつくってみました。これを動かせば、最終的に10%程度の強者が勝つ状態になることを観察できます。それをもとに、上記の考察を理解してもらえたらと思います。

このシミュレーションは下記のようなルールで動きます。

[前提条件]
  • 20人が平等に100万円ずつ持っている平等な市場を考えます。下図の赤グラフが各者の資産を表すものとします。
  • 各者は毎回20人の中からランダムでペアを組んで賭けをするものとします
  • 両者同額を賭け、勝った方がが賭けた金額を貰える0サムゲームです
  • 掛け金は資産が低い人の資産に対して、「賭け投資率(初期設定では10%)」を賭けた値となるものとします。つまり、両者のうちの「お金を持っていない方」の資産量で掛け金が決まります。

↓「賭け投資率(初期設定では10%)」を指定して、実行を押してください。賭け市場が開始されます!

賭け率
5%

  • 「賭け」としているため株式市場やFXと違うと思いますが、原理は一緒です。賭けでは、お金を奪われる人と、お金をもらう人の対応関係が1対1と単純ですが、株式市場やFXはこのような「お金を奪われる人と、お金をもらう人の対応関係がn対nと複雑」なだけです。基本的には動きは同じです。
  • また、「お金を持っていない方で掛け金が決まる」のはいいのか?という疑問もあります。しかし、「お金を持っている方の資産で掛け金を決める」と弱者の破産するスピードが速まるだけで、これも強者が勝つという論理自体は変わらないです。

不平等は自然の摂理?

上記のようなシミュレーションを見ていると、自然の原理がわかる気がします。最初は平等な世界であっても、そこから最初にお金や権力を得たものが力をつけ、さらに強くなっていくのです。

最初に数回連続で負けた者は、弱者から這い上がる事はできません。しかし、最初に勝ち続けた強者は、安定した後に数回連続で負けてもそれほどダメージはないのです。つまり、最初の数十回の取引で弱者と強者に別れ、その後もその差が残り続ける格差社会が生まれるのです。あくまで「平等な賭け/取引」の連続であってもです。

これって人類で文明が生まれたどの地域でもそうですよね。日本であれ中国であれヨーロッパであれ、平等な世界から一部の力をもった人が出現し、支配していきます。
それは、上記のように「初期に運よく力をつけた人のさらに力が集まる」からで。このような流れを見ていくと、全員が平等な世界なんてあり得ないのかなと勝手に思ったりします。

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3.なぜ賭け/投資(株式/FX)市場はほとんどの人が勝てないのか?シミュレーションツールで解説!(本記事)

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