「二次方程式の解の判別式」をシミュレーション/図解で理解![数学入門]
前回記事で、二次関数を平方完成するとその性質が分かるという話をしました。今回はその発展の「二次方程式の解の判別式」について解説します!
目次
おさらい:二次関数の「平方完成」とは
二次関数は↓の形式で表せる関数です。a=0だと一次関数になるため、以後a≠0の前提で説明します。
$$ \large{y = ax^2 + bx + c }$$
この式は↓のように変形できます。
$$ \large{y = a(x + \frac{b}{2a})^2 -\frac{b^2 -4ac}{4a} }$$
これを平方完成形といいます!この形は、\(y=ax^2\)を\(y=a(x -B)^2 + C \)の形で平行移動したものと言えます。
故に、二次関数の頂点が↓だと分かるんです!
\( \displaystyle \large{ (B,C) = (-\frac{b}{2a}} , -\frac{b^2 -4ac}{4a}) \)
「二次方程式の解」とは?
二次関数の解を求めるとは、↓のように「y=0になる場合のxを求める」ことです。
$$ \large{y = ax^2 + bx + c = 0}$$
となるxを求めること
つまり、↓のようにx軸と二次関数の交点(青い点)を求めることを意味します!
二次関数の解、3つのパターン
二次関数の解には↓の3パターンがあります。
パターン1:解がない
これは↓のようにx軸とそもそも交点がない場合です。
パターン2:解が1つある
これは↓のように二次関数がx軸が接しているパターンです。
パターン3:解が2つある
これは↓のように二次関数がx軸と交わっているパターンです。
二次方程式の解の判別式
↑の3パターンを決めるのが、↓の解の頂点のCです。これによって、どこが頂点か決まるので、x軸と接するかが分かりますよね。
\( \displaystyle \large{ (B,C) = (-\frac{b}{2a}} , -\frac{b^2 -4ac}{4a}) \)
ここで、a>0の場合は下に凸、a<0の場合は上に凸になるので、下のような場合分けして考えます。
a>0の場合
↓のように下に凸なので、Cがプラスなら解無し、Cが0なら解1つ、Cがマイナスなら解2つになるはずです
〇解がない場合
\(C = \large{-\frac{b^2 -4ac}{4a}} > 0\)
⇒ \(b^2 -4ac < 0\)
〇解が1つの場合
\(C = \large{-\frac{b^2 -4ac}{4a}} = 0\)
⇒ \(b^2 -4ac = 0\)
〇解が2つの場合
\(C = \large{-\frac{b^2 -4ac}{4a}} < 0\)
⇒ \(b^2 -4ac > 0\)
a<0の場合
↓のように上に凸なので、Cがマイナスなら解無し、Cが0なら解1つ、Cがプラスなら解2つになるはずです
〇解がない場合
\(C = \large{-\frac{b^2 -4ac}{4a}} < 0\)
⇒ \(b^2 -4ac < 0\)
〇解が1つの場合
\(C = \large{-\frac{b^2 -4ac}{4a}} = 0\)
⇒ \(b^2 -4ac = 0\)
〇解が2つの場合
\(C = \large{-\frac{b^2 -4ac}{4a}} > 0\)
⇒ \(b^2 -4ac > 0\)
判別式まとめ
実は、a>0でもa<0でも判別式は同じなんです!そこで\(D=b^2 -4ac\)とすると、↓のように結論をまとめられます!
\(\Large{D=b^2 -4ac}\) としたとき、
D < 0 ⇒ 解無し(二次関数はx軸と交わらない)
D = 0 ⇒ 解1つ(二次関数とx軸が接する)
D > 0 ⇒ 解2つ(二次関数とx軸が交わる)
二次関数の「解の判別式」をシミュレーターで理解しよう!
それでは解説してきた、「二次方程式の解の判別式」の考え方をシミュレーターで確認してみましょう!
\(\large{y = ax^2 + bx + c}\)という二次関数をシミュレートできます!
- ↓でa,b,cを指定すると、二次関数がグラフ表示されます
- x軸との交点(y=0解の位置)を青点で示しています
- 判別式Dの符号によって、解の個数が変わることを確認しましょう!
\( {y=} \) + 1\( {x^2 } \) + 1\( {x } \) + 1
[解]
解の判別式: \(D=b^2 -4ac=\)
解の個数: 0
まとめ
二次関数の判別式Dは↓で定義できます。ここまで考察してきた通り、\(x^2\)の係数aと放物線の頂点のy座標がどこにあるかを考えれば、自動的に導かれるものです!
\(\Large{D=b^2 -4ac}\) としたとき、
D < 0 ⇒ 解無し(二次関数はx軸と交わらない)
D = 0 ⇒ 解1つ(二次関数とx軸が接する)
D > 0 ⇒ 解2つ(二次関数とx軸が交わる)
- 二次関数の頂点の位置(B,C)は平方完成するとわかる
- \(x^2\)の係数aによって放物線の向きがわかるため、頂点のy座標の位置から計算すると判別式Dが導ける
- 解の判別式\(D=b^2 -4ac\)の符号によって、解の個数がわかる
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