「電流の強さを決める要素」をシミュレーションで理解しよう![電気回路,物理入門]
2021-11-03 電圧・電流・抵抗
前回記事で電流の正体について解説しました。電流とは電子の流れであり、ある地点を流れる電子の数で決まるのです。
前回記事では電子の速さだけで電流の強さを表現していましたが、、その他の要素でも電流の強さは変動します。
電流の強さを決める要素
さっそくですが、電流の強さは↓の式で決まります。
電流の強さ[A] = eρSv
- \(e\) : 1電子の電気量[C/個]
- \(ρ\) : 自由電子の密度[個/\(m^3\)]
- \(S\) : 回路の断面積[\(m^2\)]
- \(v\) : 電子の速さ[\(m/s\)]
電流の強さは1秒間にある地点を通る電荷量です。なので、断面積Sに比例して通る数が上がります。また、電子がどれぐらい密集しているか表すρに比例して電流も強くなります。
イメージとしては↓のような感じです。青面と青面の幅が、1秒間に電子が動く速度vとすると、この2面で囲われている電子の個数×電子の電荷が電流の強さとなります。1秒間にこの中にある電子が通過するからです。
そして、この電子の数は↓のように表せます。体積=断面積×横幅であるためです。なので、これに電荷eをかけると「電流の強さ=eρSv」となるわけです!
電子の数 = 2面で囲われた部分の体積 × 電子の密度ρ
= 断面積S × 電子速度v × 電子の密度ρ
= 断面積S × 電子速度v × 電子の密度ρ
POINT電流の強さ = 「断面積」「電子速度」「電子密度」の3つに完全比例して上昇する!
「電流」シミュレーターで確認しよう!
それでは実際の電流の動きを、各要素を変えて確認してみましょう!
前回同様、分かりやすくするため「10個の電子=1クーロン」とします。つまり、1秒間に10個の電子が通ったら1Aになります!
前提
- 青面と青面の間が「1秒で進む距離」つまり「速度vの長さ」になっています。つまり、この間にある電荷が1秒間に通過する電荷数です
- 「10個の電子=1クーロン」とし、1秒間に10個の電子が通ったら1Aになるものとします
操作方法
- スライドバーによって断面積S,電子の密度ρ,電子速度vが変えられます
- 各要素を変えると、電流の強さが比例して変わることを確認しましょう
- 電荷停止させ、青面の間に「電流量×10」の電荷が存在することを確認しましょう(時間帯によって1,2個のブレは出ます)
停止/再開ボタンで、一時的に電荷の動きを止められます
電流 : 0.0 A
電流シミュレーターの要点
このシミュレーターでわかるように、電流は電荷密度、断面積、電子の速さによって決まります。
電流の強さ[A] = eρSv
- \(e\) : 1電子の電気量[C/個]
- \(ρ\) : 自由電子の密度[個/\(m^3\)]
- \(S\) : 回路の断面積[\(m^2\)]
- \(v\) : 電子の速さ[\(m/s\)]
以後の記事・シミュレーターでは、電荷密度や断面積が一定であるものとして解説していきますが、このように密度や面積によって電流量変わることを意識しておきましょう!
「電流の強さ」まとめ
- 電流の強さは、1秒間にある地点を通る電子数を数えれば分かる
- 電流の強さ = 「断面積」「電子速度」「電子密度」の3つに完全比例して上昇する
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