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熱力学 状態方程式をシミュレーターを用いて理解しよう![物理入門]

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前回までの記事でボイルの法則とシャルルの法則について解説してきました。

今回はその統合ともいえる「熱力学 状態方程式」を解説していきます!

熱力学 状態方程式をシミュレーターを用いて理解しよう![物理入門]

ボイル・シャルルの法則の「一定」とは?

前回の記事で、↓のボイル・シャルルの法則について解説しました。

ボイル・シャルルの法則

\( \displaystyle \frac{PV}{T} = 一定\)
* 圧力P,体積V,絶対温度T

この法則は圧力と体積の積「PV」が絶対温度「T」と完全比例するという法則です。右辺は「一定」としていました。しかし、この「一定値」とは何なんでしょうか。

その正解は「分子数」です。今までのシミュレーターでもわかる通り、圧力の上がりやすさは分子数に比例します。ですので、ボイル・シャルルの法則は↓のように変形できます。

ボイル・シャルルの法則の変形

\( \displaystyle \frac{PV}{T} = Rn\)
  * n=分子数(mol)、R=気体定数

nは前回の記事で説明した、分子数をモル単位で表した数値です。簡単にいうと、1molの分子とは \(6.02×10^{23}\)個の分子を単位化したものです。計測しやすい数でまとめた単位です。

この分子のモル数nと\(\frac{PV}{T}\)は比例するんです。そして、その比例係数をRで表しているんです。Rは気体定数と呼ばれ、一定です。

Rは以下の実際に測定した実験数値から求められてます。

実験環境下の測定値

\( 圧力P=1気圧(1.013×10^5 Pa)\)
\( 体積V=22.4×10^{-3} m^3\)
\( 絶対温度T=0℃(273K)\)
\( 分子数=1mol\)

これを上記に式に代入すると、、

\(\displaystyle R = \frac{PV}{nT} = \frac{(1.013×10^5)×(22.4×10^{-3})}{1×(273)} ≒ 8.31 J/(mol \cdot K) \)

となり、R=8.31となります。わかりやすいように式を変形すると、↓のようになります。これこそが熱力学で一番重要な状態方程式です

熱力学 状態方程式

\( \displaystyle \frac{PV}{T} = Rn\)
↓ 変形
\( \displaystyle PV = nRT\)

今まで説明してきたボイルの法則、シャルルの法則もこの式を使えば導けます!
 

POINT「PV = nRT」さえ覚えておけば、様々な熱力学の動作に対応可能!

熱力学 状態方程式でボイル・シャルルの法則を理解しよう!

熱力学 状態方程式を、シミュレーターを使って理解しましょう!今回は「分子数(mol)」「絶対温度」「体積」を自由に変化させて、圧力Pを求めるシミュレーター設定にしました。

今回のシミュレーターの初期状態では↓のような設定となっています。

[初期状態]
\(体積V = 10 m^3\)
\(絶対温度T = 200 K\)
\(モル数 = 1mol \)
⇒ P = 166.2Pa

 

シミュレーションの説明
  • スライドバーでモル数体積絶対温度を変更でき、その結果が↓シミュレーターで表示されます
  • その結果、変化した圧力Pが画面に表示されます
  • 圧力Pが状態方程式と一致するように変化するか確かめましょう

↓スライドバーを変化させて、圧力Pが状態方程式PV=nRTに合わせて変化する様子を確認しましょう

モル数
1
体積
10
絶対温度
200

熱力学 状態方程式を使うと、圧力/体積/絶対温度/分子数の関係が計算可能に!

今回はボイルの法則とシャルルの法則を発展させて、熱力学 状態方程式を導きました。この式は圧力と体積の積PVが分子数nと絶対温度Tに比例係数Rで比例していることを示しています。

熱力学 状態方程式

\( \displaystyle PV = nRT\)

この状態方程式の式さえあれば、不明な温度や圧力などを他の値から求めることが出来ます。また、ボイルの法則、シャルルの法則を包含する汎用性のある式になっています。超重要ですね。是非、↑のシミュレーターで理解を深めて下さい!
 

「熱力学 状態方程式」まとめ

  • 「PV = nRT」は分子数に比例して \frac{PV}{T}の値が決まるという重要な法則
[関連記事] 物理入門: ボイル・シャルルの法則と状態方程式
6.熱力学 状態方程式(本記事)

⇒「ボイル・シャルルと状態方程式」カテゴリ記事一覧

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