ボイル・シャルルの法則(圧力/体積/絶対温度の関係)をシミュレーターを用いて解説![物理入門]
前回2記事で、ボイルの法則とシャルルの法則について解説してきました。
今回の記事ではその2つを組み合わせたボイル・シャルルの法則について解説します!
「体積×圧力」と「絶対温度」は比例する!
前回までに↓のボイルの法則とシャルルの法則について説明してきました。
等温条件下で
\( PV \displaystyle = 一定\)
等圧条件下で
\( \displaystyle \frac{V}{T} = 一定\)
この2つを組み合わせると、「体積×圧力」と「絶対温度」は比例するといえます。なぜなら、圧力と絶対温度は比例関係にありますが、等温状態で「体積×圧力」が一定なので、結局、「体積×圧力」自体も「絶対温度」に比例するはずだからです。故に↓のボイル・シャルルの法則が成り立ちます。
\( \displaystyle \frac{PV}{T} = 一定\)
これは、圧力/体積/絶対温度が密接に関連している事を意味します。また、どれか1つのパラメタが分からなくても、他2つを測定すれば推測できることを意味しています。
例えば圧力がわからなくても、体積と絶対温度から補えます。変化前の圧力/体積/絶対温度を\(P_前,V_前,T_前\)、変化後を\(P_後,V_後,T_後\)とすると。
↓変形
\( \displaystyle P_後 = \frac{P_前 V_前 T_後}{T_前 V_後} \)
という形で\(P_後\)の値を変化前とその他の値から求めることが出来ます。
シミュレーターでボイル・シャルルの法則を理解しよう!
上記で説明したボイル・シャルルの法則を、シミュレーターを使って理解しましょう!今回は「絶対温度」と「体積」を自由に変化させて、圧力Pを求めるシミュレーター設定にしました。
今回の環境では↓のような設定となっています。
\(圧力P = 10 Pa\)
\(体積V = 10 m^3\)
\(絶対温度T = 200 K\)
⇒ \( \displaystyle \frac{P_前 V_前}{T_前} = 0.5\)
これを用いると、圧力Pは↓の式で計算できます。シミュレーターでこの式が成り立つことを確認しましょう!
- スライドバーで体積・絶対温度を変更でき、その結果が↓シミュレーターで表示されます
- その結果、変化した圧力Pが画面に表示されます
↓スライドバーを変化させて、圧力がどのように変わるか確認しましょう
ボイル・シャルルの法則を使うと、圧力/体積/絶対温度の関係が分かる!
今回はボイルの法則とシャルルの法則を組み合わせて、圧力/体積/絶対温度について求めてみました。この2つの法則を組み合わせると↓のような法則が成り立つことがわかります。
\( \displaystyle \frac{PV}{T} = 一定\)
この式を使えば、圧力/体積/絶対温度のどれかが分からない状況でも、その他の値から算出できます!
次回はそもそもこのボイル・シャルルの法則がなぜ成り立つかを、「状態方程式」という視点から考えていきます!
- 圧力/体積/温度どれか1つわからなくても、ボイル・シャルルの法則で他から計算可能
⇒「ボイル・シャルルと状態方程式」カテゴリ記事一覧
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