物理入門:「斜方投射の最適角度」をシミュレーターを使って考えよう!
2022-04-01 重力・落下運動
前回の記事で、「斜方投射」をシミュレーターを用いて解説しました。
今回は、「どのような角度で斜方投射すれば、一番ボールが飛ぶか」という観点で考えてみます!
「斜方投射の最適角度」シミュレーター
まずは実際にシミュレーターで動かして見ましょう!
操作方法
- 実行ボタンを押すと、設定した初速v,投射角度で、斜め方向にボールが投げ出されます
- スライドバーで初速v,投射角度を自由に変えられます
- グラフ表示項目を選択すると、x,yそれぞれの位置/速度/加速度をリアルタイムにグラフ化して表示します
色々な方向にボールを投射させて、どの角度で投げるのが良いか、実験してみましょう!
経過時間 : 0.0 秒
飛距離 : 0.0 m
飛距離 : 0.0 m
グラフ表示項目位置
速度
加速度
xを赤色,yを赤色で示しています
シミュレーター結果解説
以下、シミュレーターの結果を解説していきます。
地面到達時間と飛距離
地面到達時間と到達位置は前回の記事の通り、↓のようになります。
地面到達時間
\( t \displaystyle= \frac{2 v_{y0}}{g}\)
- \(v_{y0}\) : 鉛直方向の初期速度
- \(g\) : 重力加速度
飛距離
\(x \displaystyle = v_x t \)
\( \displaystyle = \frac{2 v_{y0} v_{x0}}{g} \)
- \(v_{x0}\) : 水平方向の初期速度
- \(v_{y0}\) : 鉛直方向の初期速度
- \(g\) : 重力加速度
このように、簡単な式で斜方投射の距離を計算できます。
斜方投射の最適角度
斜方投射の最適角度は「飛距離を定式化」すれば分かります。
ここで、y方向の初速\( v_{y0}\)とx方向の初速\( v_{x0}\)は、初速v(斜め方向の速度)を用いて
\( v_{y0} \displaystyle = v sinθ \)
\( v_{x0} \displaystyle = v cosθ \)
\( v_{x0} \displaystyle = v cosθ \)
と表せます。絵で表すと↓のような感じ。
(コチラで解説しているsin,cosの使い方参照)
とすると、これを代入すると、
\( 飛距離 \displaystyle = \frac{2 v_{y0} v_{x0}}{g} \)
\( \displaystyle = \frac{v sinθ * v cons θ}{g} \)
↓ sin,cosの積和公式
\( \displaystyle = \frac{v^2 (sin{2θ} + sin0 )}{2g} \)
\( \displaystyle = \frac{v^2 sin{2θ}}{2g} \)
\( \displaystyle = \frac{v sinθ * v cons θ}{g} \)
↓ sin,cosの積和公式
\( \displaystyle = \frac{v^2 (sin{2θ} + sin0 )}{2g} \)
\( \displaystyle = \frac{v^2 sin{2θ}}{2g} \)
となります。sinは「2θ=90度」の時「\(sin{2θ}\)=1」となり一番大きくなるので、結局
\(θ \large= 45°\)
のとき飛距離が最大となります!
このように定式化すると、「飛距離は初速vの2乗に比例すること」「sinθに飛距離が依存すること」が明白になります。
実際にこの式の通りになるか、上記シミュレーターの初速vと角度θを変えてきて実験してみましょう!
「水平投射」まとめ
- 斜方投射の距離は\(\large{x=\frac{v^2 sin{2θ}}{2g}}\)の式で求められる
- \(sin{2θ}\)が最大化されるθ=45度が最的角度となる
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