組み合わせ(C記号)をシミュレーターで理解しよう![数学入門]
この記事では、順列の発展型である「組み合わせ」という考えか方を説明していきます。前回記事では、「n個のクジから、r個を引く順列パターン」について解説しました。
今回は「n個のクジから、r個を引く組み合わせのパターン」について考えていきます。似ていますが、この違いは大きいです。
この違いをシミュレーターを用いて解説していきます!
目次
「n個のクジから、r個引く順列パターン」と「n個のクジから、r個選ぶパターン(組み合わせ)」の違いを理解しよう!
n個のクジから、r個引く順列パターン
まずは、前回記事で説明した「n個のクジから、r個を引く順列パターン」をおさらいしておきます。
下図は「9個のクジから、3個を引く順列パターン」の例です。3個引くものを順列と見なし、総計何パターンあるかを考えたのが前回でした。順列とみなすので、「引いた順序を区別する」という点が重要です。
そしてその総数は、
\( {}_n P_r = n \cdot (n-1) \cdot … \cdot (n – r + 1) \)
であることを前回記事で示しました。
n個のクジから、r個選ぶパターン(組み合わせ)
上記のパターンに対して、今回考えるのが「「n個のクジから、r個選ぶパターン(組み合わせ)」」です。似ていますが、違います。「r個選ぶ」なので引いたものの順番は関係ないんです。
例として、「7,2,3」という組み合わせを考えます。そうしたときに下図の6パターンは全て同一と見なせます。順番が違うだけで、結局「2と3と7を選ぶ」という点では全て同じになるからです!
「順列」と「組み合わせ」の違いは、順番を区別するかどうか
上記のように考えると、その違いは簡単です。「n個のクジから、r個引く順列パターン」は順列を考えるため、引いたクジの順番も重要であり区別します。それに対して「n個のクジから、r個選ぶパターン(組み合わせ)」は順番は関係なく、最終的に何を引いたかのみ着目します。
例えば↓の例の場合、
「組み合わせ」で考えた場合:全て同じ組み合わせ → 1パターン
となります!これが「順序」と「組み合わせ」の違いです。
↓まとめると、こんな関係性になります。
「n個のクジから、r個選ぶパターン(組み合わせ)」のパターン数を考える!
「n個のクジから、r個選ぶパターン(組み合わせ)」のパターン数を考えてみます。
前回記事の通り、順列と見なした場合は
\( {}_n P_r = n \cdot (n-1) \cdot … \cdot (n – r + 1) \)
パターンありました。これに対して、今回考える組み合わせ数は
\( \displaystyle {}_n C_r = \frac{n \cdot (n-1) \cdot … \cdot (n – r + 1)}{ r! } \)
で表せます。この組み合わせパターン数を数学では\({}_n C_r\)と表します。
この理由は、「組み合わせの場合は、選んだ個数rで作られる順列パターン数r!だけ重複する」からです。例えば、r=3の場合、先程からの例のように↓ 3!=6パターン重複します。ですので、順番を考慮したパターン数\( {}_n P_r \)を3!で割ると、求めたい組み合わせ数になるわけです。
選んだ個数がrであるので、その順列パターン数であるr!で割る。これが「順列\({}_n P_r\)」と「組み合わせ\({}_n C_r\)」の違いです!ややこしいですが、キチンと区別して理解しましょう!
シミュレーターで「順列」と「組み合わせ」の違い、重複度を理解しよう!
おさらいとして、総数(n)から個数(r)のクジを引くシミュレーターをつくってみました!さらに引いた後に、引いた順列に対して重複する順列パターンを列挙するようになっています。その重複数が、r!になることを確認しましょう!
列挙された数列は、順列では別々に数えられますが、組み合わせでは同一とみなされます。選んだ個数rが大きいほど、重複する数が多くなり、「順列」と「組み合わせ」の差が大きくなることを理解しましょう!
- 総数(n)と引く個数(r)を変えると、クジがランダムで引かれ、数列が作られます
- その後組み合わせ的に重複となるパターンが列挙されます
値を変更して実行してみましょう!
…
[組合わせ重複数]
…
[組み合わせパターン数]
…
結果の解説:総数n=9,引くクジ数r=3の場合
↓総数n=9,引く数r=3の場合の結果です。↓の通り3!=6だけ重複したパターンがあります。そのため結局、組み合わせ数は\( \displaystyle \frac{9 \cdot 8 \cdot 7}{6} = 84 \)となります。
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