物理入門：「静止摩擦力」をシミュレーターを用いて理解しよう！

2021-04-15　 重力・摩擦力

「垂直抗力」のおさらい

前回記事では、重力と垂直抵抗について解説しました。おさらいになりますが、地球上の万物は↓の重力が常にかかっています。

そして、この重力とつり合わせる形で、地面からは垂直抗力の力がかかっています。垂直抗力は重力とイコールです。これにより、↓のようにつり合う形で物体は停止しているんです。もし地面がなくなったら、、、下方向に無限に加速していってしまうんです！＞＜

この垂直抗力に依存して、地上の物体には「摩擦力」が働きます。今回は静止摩擦力について解説していきます！

「静止摩擦力」とは、止まっている物体にかかる抵抗力！

物体に対して力をかけたら、基本的にそれに応じた加速度がかかってすぐに動き始めるはずです。しかし、日常にある物体はそんなに簡単には動きません。特に重いものなんて、少し力をかけただけではビクトもしません。それは「静止摩擦力」が働いているからです。

静止摩擦力は、↓のように力をかけられた方向と逆側にかかります。逆側に力が働くことで、物体にかかる合力は0になり、力がつり合います。よって、物体は全く動かないのです！

この静止摩擦力は、限界があります。一定以上の力がかかると、耐えきれなくなり、物体は動いてしまうのです。この限界は垂直抗力Nに比例して決まります。

上記のμは垂直抗力Nに対して、その何倍の摩擦力がかかるかを示しています。このμを静止摩擦力係数と呼びます。このμによって、最大限耐えられる限界の力が決まるんです！
　

通常は最大静止摩擦力=μmg

一番最初に説明したとおり、通常平坦な場所では垂直抗力Nは

です。なので、最大摩擦力は

と計算できます！簡単に計算できるんですね。

しかし、これは平坦な場所での話です。地面が斜めになっていた場合、垂直抗力はもっと小さくなるので、↑の式は成り立たないんです！（詳しくはコチラの記事参照）

動き始めたら、静止摩擦力は動摩擦力に変わる！

「静止摩擦力」はその名前の通り、静止した状態の時にかかる摩擦力です。なので、動きはじめたら、かかりません。速度v=0のときだけかかる摩擦力なのです。

ただし、消えるというより、動き始めたら別の摩擦力(動摩擦力)がかかるという感じです。これについては次の記事で解説します！
　

シミュレーターで「静止摩擦力」の意味を理解しよう！

それでは上記の「静止摩擦力」を、シミュレーターを使って理解してみましょう！

色々変化させて静止摩擦力がどういったものか確認しましょう！

「静止摩擦力」に関する重要なポイント

上のシミュレーターで理解しておくべき重大なポイントがあります。

静止摩擦力は重くなるほど大きくなる

これは↑の解説と公式からも当たり前ですね。物体が重いほど最大静止摩擦力は強くなります。なので、重いものほど、動貸しにくくなるわけですね！

静止摩擦力係数は0から1以上まで物質によってかわる

上記の式の通り、静止摩擦力は静止摩擦力係数によってかわります。そして、この静止摩擦力係数は物体の性質によって変わります。

一般的には1以下になります。動かしにくい物質ということが、この係数を見れば分かるんですね！

実際に、斜面に置いた物体が滑り落ちるかどうかはこの静止摩擦力係数で決まってきます。その事はコチラのシミュレーターで解説しています。
　

[関連記事] 物理入門: 重力・摩擦

1．重力・垂直抗力

2．斜面での垂直抗力

3．静止摩擦力(本記事)

4．動摩擦力

5．摩擦力(静止・動総合)

6．斜面での摩擦力