絶対温度・絶対零度とは?温度とは何かをシミュレーターを用いて解説![物理入門]
今回の記事から、「温度」「熱力学」について解説していきます。この世の中にある全てのモノには温度があります。冷たいものから、温かいものまで様々です。
今回は「この温度がどうやって決まるのか?」について解説していきます!熱力学の基礎になりますので、必ず理解しましょう!
目次
温度は、「物体の分子の速度」によって決まる!
この世の物体は、分子によって構成されています。目には見えないですが、「気体」「液体」「個体」となって常に動いてます。イメージでいうと↓のような感じです。
実はこの分子の動きこそ、温度を決定する要因なのです!温度が高い物質ほど、分子の速度が大きいのです!
温度が高い ⇒ 分子の動きが激しい
温度が低い ⇒ 分子の動きが少ない
熱い物質ほど、分子が活発に動いていて、冷たい物質ほど動きが少ないんです!
温度には最も低い「絶対零度」がある!これは物体が止まっている状態!
普段使っているセ氏温度(℃)にはマイナス値があります。寒い地方では気温がマイナスになったりしますよね。マイナスがあるということは、-1000℃とか無限に低い温度がありそうですが、、、それは無いんです。
温度には下限があります。それは「物質が完全に止まっている状態」です。分子の速度にはマイナスが無いので、止まっている時こそ「速度=0」であり、最も低い温度になるんです。これを「絶対零度」と呼びます。
絶対零度は、セ氏温度(℃)でいうと「-273.15℃」です。これが全世界の中で最も温度が低い状態です。↓のように全ての分子が止まっている状態になります。
「-273.15℃」と中途半端な数字なのは、歴史的にセ氏温度(℃)の後に発見されたからです。そもそも普段使っているセ氏温度(℃)は「0℃=水の凝固点、100℃=水の沸点」として定めたものです。ですので、こんな中途半端なマイナス数字になるんですね><
「絶対温度」=「絶対零度を0とした温度」
上記のように、セ氏温度(℃)だと物理的な分子速度を考察するときには、扱いにくいです。本当は「-273.15℃」という温度こそ、全ての分子が止まった温度0の状態なんですから。
そこで、↓のような絶対温度という概念を、物理学でもは用います。
絶対温度(K) = セ氏温度(℃) + 273.15
単位はK(ケルビン)を用います。これはつまり、普段の温度に「273.15」を足しただけです。しかし、これだけで、絶対零度=0Kとでき、マイナス表記が不要となり、適切に温度と分子速度の関係を表せるようになるんです!
以後、熱力学の解説にはこの絶対温度(K)を用いていきます!
絶対温度とセ氏温度(℃)の関係を、シミュレーターを使って理解しよう!
上で説明した「絶対温度」と通常のセ氏温度(℃)の関係をシミュレーターで理解しましょう!
- ↓のスライドバーで絶対温度を変えられます
- シミュレーター上では、セ氏温度が表示されます
- バーを上下して、絶対温度とセ氏温度の対応関係を確認しましょう
絶対温度を上げると、分子の速度が激しくなることを確認しましょう!また、絶対零度=0Kでは、全ての分子が止まっていることを確認しましょう。
* 分子の速度差が分かりやすいように、速度調整しています。本当はもっと緩やかに速度が伸びていきます
次回は熱の移動について解説します!
ここまで解説したとおり、温度は分子の動きと密接に関連があります!この熱/温度ですが、自由に温度が変化したり、熱が自由に移動することはありません。一定の法則がなるんです!
次回はこの熱・温度の移動の法則について解説していきます!
- 温度には-273.15度という下限があり、絶対零度とよぶ
- 絶対零度では全ての分子が止まったような状態となる
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